ヒマラヤトレッキング日記
〜 カトマンズ編 II 〜


2004/4/12 (Mon)

起床(6:30) → 朝食(7:00) → Hotel del'Annapurna 発(7:55) → Sankhu 着(8:45) → Sankhu 発(8:55) → たて (10:15〜10:35) → 写真たて at 峠(10:55〜11:05) → たて at 1,800m 付近の峠の茶屋(11:10〜11:20) → 雲海リゾート (1,975m) 前(11:52) → Hotel CHAUTARI 着 for 昼食(12:15) → Hotel CHAUTARI 発(14:00) → Himalayan Activities 着(15:20) → Internet Cafe (〜16:30) → Hotel del'Annapurna 戻り(17:00) → ロビーにて Raghu 氏と待ち合わせ(17:15) → 近くのレストランでビール(〜18:15) → Internet Cafe(18:40〜19:20) → 夕食 at 一太(19:30〜20:15) → Hotel del'Annapurna 戻り(21:15)

「ナガルコットにハイキング」

6時半にモーニングコールで起きる。今日は 8時にロビーでケサブ君、Raghu さんと待ち合わせなので、さっさとシャワーを浴びて 7時に朝食に行く。ダイニングに入ると、昨日カトマンズ入りしたのだろうか、十数人の日本人中高年登山家と思わしき集団が料理の前で皿を持って並んでいた。既に山支度で上はポロシャツ、腰にはウェストポーチといったお決まりの格好だ。うるさそうなのであまり近づかずに離れたテーブルに着く。

トースターの前でパンが焼けるのを待っていると、一番うるさそうなオバサンがやってきて並んでいる人の前に割り込んで、さーーっとトーストをかっさらっていく。しかも、人の顔を覗き込んで「日本人だな」、というのを確認してからやっているのだから確信犯だ。朝から嫌な気分になってきたぞ。しかも、コックさんにオムレツを頼んだくせに、
「焦げちゃう、焦げちゃう。アタシがひっくり返してあげようか?」
などと超おせっかいなことを大声で言い、挙句の果てには、
「ケチャップないのぉー? ケチャップ。そーそー、ケチャップよぉ。ケチャップはないの?」
ボーイが苦笑いしながらトマトソースを持ってくると、
「それ、辛いのでしょ。辛いのいやーーーーーん!!」
もはや手のつけようがない。他の外国人も奇異の眼差しでその騒動を見守っている。立派なホテルに泊まるとこういうことが起きるので嫌なのだが、今回はゆっくりしたかったので仕方がないと思って諦める。それにしてもうるさすぎなのだ。アホめ。

さっさと食事を済ませ、7時50分に下りていくとロビーにはケサブ君がもう来て待っている。さらに Raghu さんもすぐにやってきて、今日一日チャーターするタクシーのドライバーにお金を渡し、今日のコースの説明をしてくれる。今日はサクー (Sankhu) というところでタクシーを降りて歩き出し、ナガルコット (Nagarkot) の Hotel CHAUTARI まで歩いてそこのレストランで昼食を食べ、そのホテルまで迎えに来てくれる同じタクシーでカトマンズに戻ってくるというコースだ。途中殆ど茶屋がないので、サクーでミネラルウォーターと好きな食べ物をケサブ君に言って買わせるように、ホテルのレストランでは何でも好きなものを注文していいからね、とのこと。Raghu さんはそこに残してケサブ君とタクシーに乗って出発する。出発時に必ず顔を出してくれる Raghu さんは、本当にお客を大事にしているのだろうなと思う。

走り出してものの 3分もしないうちにケサブ君がクルマを止める。外を見ると、Himalayan Activities の別のガイド、Krishna 君が立っている。彼はナガルコットへはまだ行ったことがないというので、今日は同行させてあげるとのこと。彼も後ろの座席に乗ってきたので、挨拶をして世間話をしながらサクーへの道を進む。タクシーの中では、カーステレオでインドのポピュラー音楽のカセットが気持ちよくガンガン鳴っている。ネパールの人たちにとって洋楽、洋画というのはほぼインド音楽やインド映画を指すようで、彼らが西洋の音楽を聴いている姿は見たことがない。しかも、基本的にはネパールの音楽を心から愛しているようで、タクシーに乗ってもロッジに入っても流れてくるのはネパールの音楽だ。やはりネパール音楽が一番ネパールの風景にもネパールの空気にも合っているように感じる。もちろんネパールに来ているのだから、これはこれでとても嬉しいことだし、西洋や日本の音楽を聴きたい気分にも全然ならないのだ。

タクシーは昨日行ったボダナート (Boudhanath) の前を通り、どんどんのどかな田舎道へと入っていく。あたりは田園風景で山あいには棚田、という典型的なネパールの風景が開けてきて、食料ほぼ 100%を自給できるというネパールの底力を見ている気がしてくる。所々、道の真ん中に藁が敷いてあるところを通る。何度目かにようやく、これらはクルマに上を走らせることで脱穀しているのだということに気がつく。

目に入る建物はみな四角いコンクリートとレンガの作りの家だが、不思議なことにこのネパールでは、1階部分はきちんとしているのに 2階部分は鉄筋が生えているだけ、とか、3階部分が鉄筋だけ、といった建物が多い。これはカトマンズのアパートでも、この田舎道から見える個人の家でも同じなのだが、別にその鉄筋だけの部分が燃えてしまったとか、壊れてしまったとかいうのではなさそうで、先々お金ができたときに増築しやすいように、といったことで残してあるようにも見える不思議な作りなのだ。

そんな風景を眺めながら、1時間弱でサクーに到着。ここで、ハイキング中に飲むミネラルウォーターと行動食となるフルーツを大量に購入する。ケサブ君が果物屋の前で「どれがいい?」と聞くので、リンゴとオレンジとマンゴーを買ってもらう。ものすごくハエがたかっていて、フルーツをつかむとわっと黒い影が動くので見ているとちょっと引いてしまうのだが、ケサブ君もその他の買い物をしているネパールの人もまったく気にする様子はない。まぁそういうものなのだろう。ふと後ろを振り返ると、そこには日本語で『第一日本語学院 Sankhu Branch』の文字。
「こんな田舎の町に日本語学校があるなんて、つくづく日本人というのはネパールの観光産業にとって重要なお客さんなのだなぁ...。」
としみじみ思う。

食料を調達して、ゆるゆると田舎道を歩き出す。ちなみに今日もカメラザックを背負っている自分が一番大荷物。ケサブ君は小さなショルダーバッグ一つ、Krishna 君はさっき買ったフルーツとミネラルウォーターの入ったビニール袋だけ。というわけで Krishna 君が三脚を持ってくれる。

写真など撮っているとあっという間にこの有様 今日は月曜日で学校があるため、歩いているとそこかしこから制服を着た小学生が出てきて学校に向かっていく。のどかな田園風景や棚田などを写真に撮っていると、あっというまに子供達に囲まれてしまう。ここでもやはり、
「ペンちょうだい」
とか、
「ルピーちょうだい」
と英語で言われる。小学校からの英語教育もさることながら、低学年の子供達もそういう英語だけは必ず知っているようだ。

道は棚田の間を縫うようにして、沢沿いをゆっくりと登っていく。それにしても暑い。気温は 30度近くさすがにクーンブヒマール (Khumbu Himal) 地方のトレッキングとはわけが違う。おまけに空身に近い二人のペースに重いカメラザックを背負ってついていくのはなかなか辛く、あっという間に汗だくになってしまう。所々で三脚を立てて写真を撮りながら進んでいくと、同じ方向に歩いて行く地元の人が、
「ここに近道があるよ。」
と教えてくれ自らその小道に入っていく。すかさずケサブ君が林道とその近道のどっちを選ぶか聞いてくれるが、見るとその小道は林道のショートカットのための、ものすごい急坂でしかも樹林帯の中を通るため風もまったく来なそうだ。
「あぁ、こっちの広い道でいいよ〜。」
と即座に答える。
のどかな田舎の風景なのだ

段々畑は地図の等高線のようだ 道が林道なのと写真を撮りながらなのでちょっと長めに 1時間半ほど歩き、小さな沢が道を横断するところで休憩をする。ミネラルウォーターをガブガブと飲み、オレンジとマンゴー、リンゴを食べる。さっきハエがいっぱいたかっていたリンゴはズボンでよく拭いてから丸かじりにする。今日は油断してナイフをホテルに置いて来てしまったのが悔やまれる。とは言え、それでもさすがに沢の水で洗おうとは思わないのだ。

そこを出ると段々畑を横に見て尾根の上まで最後のひと登りだ。それにしても、この段々畑は山間部の土地を最大限に利用している上に、風景としても非常に美しくて本当に感動的なのだ。まぁ当然のことなのだが、地図の等高線のように急斜面になればなるほど、段々の間隔が狭まっていく。まったくもって立体地図を真横から眺めているような錯覚に陥ってしまう。

そこを出ると、20分程で峠状のところに出て、尾根の向こう側の展望が開ける。残念ながら既に日も高く空気は霞んでいるためヒマラヤ方面の山々はまったく見えないが、ナガルコットの丘の段々畑が美しい。峠の茶屋でコーラを飲みながら休憩。イスとテーブルの置かれている茶屋の軒下の日陰では、イヌもニワトリも休んでいる。そこを出るといよいよナガルコットのホテルが点在するエリアに入っていく。ここナガルコットは、カトマンズから 35km ということもあり、気軽に来てヒマラヤを眺めることのできるいわば近郊リゾート地といったところだ。天気のよい季節には、エベレスト (Everest / Sagarmatha / 8,848m) からランタンヒマール (Langtang Himal) の山々、マナスル山群 (Manaslu Region)、さらにポカラ (Pokhara) 方面のアンナプルナ (Annapurna) の山々まで見渡せるという。 イヌもニワトリも軒下で休む

雲海リゾート前からの眺め 途中、『雲海リゾート』という名の日本資本のホテルの前で写真を撮り、目指す Hotel CHAUTARI まではだらだらと歩いて一時間弱。猛暑の中から涼しくて綺麗なレストランに到着してハイキングは終了。ヒマラヤ方面の展望はなかったが、そもそもそれは期待していなかったし、ネパールの田舎の風景をじっくり味わうことができたので全然オッケーなのだ。

レストランの中で三脚を立てて三人で記念撮影。暑さで脱水しているので、あっという間にフレッシュオレンジジュースを二杯ガブ飲みして、チキンカレー、チャパティ、ケサブ君たちの頼んだダルバール、など豪華な昼メシを食べる。食後、ケサブ君の姿が見えないと思ったら、さっきのフルーツを洗ってきてくれたのだった。リンゴをこすって食べているのを見て気を遣ってくれたのだろう。さらに、ナイフで皮を剥いて切り分けてくれる。日本のホテルのレストランなら、フルーツを持ち込んで自分で切って食べるなんてのは許されないだろうが、ここは、切り分け用にお皿まで持ってきてくれる。大らかなお国柄なのだ。生水で洗っているのでうーむという気はしたが、せっかくの彼の好意なので何も言わずにフルーツを三人で腹一杯食べる。

14時にタクシーが迎えに来てロッジを後にする。カトマンズまでの道は往路とは違う道で、これまたなかなかの絶景。わざわざクルマを停めて写真を撮らせてもらうのもなんなので、しっかりとこれらの風景を目に焼き付ける。車内では行きと同じインド音楽が延々とエンドレスで流れている。

カトマンズの街に入ったところで外を見るとなにやら物々しい雰囲気で、路上には警官と兵士がうじゃうじゃいる。しかも、道路には一面にレンガのかけらのようなものが落ちていて、所々道路が焼け焦げた後がある。通りすがりに脇の路地を覗いて見るとそこでは火が燃えていたりもする。これはどうやら、反政府運動の投石騒ぎでもあったようだ。その場に居合わせなかったのがちょっと残念だが、まぁ居合わせなくてよかったのかもしれない。なんにしても、カトマンズも油断のならない街なのだ。

15時20分に Himalayan Activities に「無事」に到着。Raghu さんは外出中だったので、荷物をオフィスに置かせてもらってメールをチェックしに最寄のインターネットカフェに行く。16時半にオフィスに戻り、戻ってきていた Raghu さんと明日のバイクのツーリングの打ち合わせをする。同じくバイク乗りでツーリングにものすごく興味を示していた O 氏を同行させてもよいかどうか確認すると、もちろん答えは“No problem!”。その場でオフィスの PC を借りて、O 氏にメールを打ち、明日の朝 Hotel del'Annapurna のロビーで待ち合わせすることを伝える。

Raghu さんに今日の夜の予定を聞かれたので特に何もないと答えると、なんと今晩ビールを御馳走してくれるというありがたい申し出。もちろん断るわけがない。一旦ホテルに戻ってロビーで再び待ち合わせる約束をし、ケサブ君が捕まえてきてくれたタクシーに乗って一足先にホテルに戻る。

「Himalayan Activities のポリシーに脱帽」

17時15分、Raghu さんとロビーで会い、ホテルのすぐ近くのレストランに入る。2階のテラスでバーベキューを頼んでまずはビールで乾杯。改めて、カラパタール (Kala Pattar / 5,545m) とエベレストベースキャンプ (Everest Base Camp / 5,350m) でのケサブ君の活躍に対してお礼を言う。行きの飛行機でカメラザックを死守してくれたことはもとより、今回彼とトレッキングを共にして、なんと言っても一番有難かったのが、どんなにロッジが混んでいても彼は決してドミトリー (共同の寝室 / Dormitory) に泊まって欲しいとは言わず何とかして個室のあるロッジを探してくれたことである。これは今回のように特に高価な撮影機材を持ち歩いている場合においては、少なくとも盗難の危険性が一気に下がるということと、盗難に関して常に気にしていなければならないという精神的な負担を軽減してくれるという点において、非常に有難いことなのである。同じようにトレッキングをしていた人たちの中で、より高い額の費用を払っている人たちがドミトリーに泊まらされていたのを見ていたのもあり、この点については是非お礼を言っておきたかったのだ。すると Raghu さんは、
「うちの会社では、お客さんにはなんとしてでも個室に泊まってもらうようにしてもらっているんです。私たちは何よりもお客さんのプライバシーを最優先にすることを考えているし、ガイドにも常々そう言っているんですよ。確かにここはネパールだけど、お客さんたちはネパールの外から来る人たちなんですからね。ネパールの生活を押し付けちゃいけないんですよね。」
とのこと。それ以外にも色々な話をする中で、
「一人のお客さんを得るためには一年の時間がかかるけれど、失うときは一分しか必要ないでしょ。だから、その時々に最高のサービスをしなければ...。」
という言葉も出てくる。彼の信念がガイドたちの間にもきちんと理解されて実行されていることは、ケサブ君と 15日間一緒に過ごせばわかると言うものだ。トレッキング中に聞いた話だが、ひどいガイドになると、会社はきちんと個室に泊まれるだけのお金をガイドに持たせているのに、「会社からもらっているお金が少なすぎる」だとか、「お前が高いものばっかり食べるから、個室に泊まるお金が残っていない」などと言ってお客をドミトリーに泊まらせ、残ったお金を懐に入れてしまうということがあるようだ。少なくとも Himalayan Activities に関して言えば、こういった悪徳ガイドとはまったく無縁であると言えよう。

さらに Raghu さん本人の人柄もやはり素晴らしく、日本からやってきて助けを求めてきた学生達を何人も彼の家に泊まらせてあげたり、カジノに連れて行ってあげたりなど、親日というだけには留まらない程のサービス精神の持ち主なのである。トレッキング中にもケサブ君から彼の人柄については聞かされていたが、ビールを飲みながら語り合ってもやはり聞いたとおり、そのままの人なのであった。

明日はネパールの新年の元旦にあたる日で、それはつまり今日は大晦日ということになるわけなので、ビールを 2、3杯飲んだ頃合を見計らって、
「こんなところでお客の相手をしていないで、うちに帰って家族にサービスしてあげてくださいね。」
と言ってレストランを出る。ケサブ君は今晩は夜通し遊ぶようなことを言っていたし、大晦日の貴重な時間を半分仕事のようなことに使わせてしまっては申し訳ない。

Raghu さんと別れてから、タメル (Thamel) に向かう。昨日行った日本食レストランの『一太』に顔を出し、昨日の店員に
「もし昨日私と一緒にいた男性 (O 氏のこと) が来たら、話があるから引き止めておいてね。」
と頼んでから、さっき送ったメールの返事を確認しにインターネットカフェに行く。返事は特に来ていないようだったので、そのまま『一太』に戻り、から揚げ定食とビールという超日本的定食屋メニューを頼む。もちろんとても旨い。O 氏はこの日は結局現れず。

「ぼったくりの T シャツ屋」

ネパールの滞在もあと二日になってきたので、そろそろ何か記念になるものを買っておきたいと思う。まぁ T シャツがいいところなのだが、手持ちのルピーも残り少なくなってきたので大体の値段を把握してから必要最小限だけ換金しようと思い、食後、何軒もある T シャツ屋に価格調査に行く。

まず一軒目。タメルの入り口からすぐ右に入ったところの T シャツ屋に入る。大体の値段が知りたいと言うと、奥からちょっと目つきの悪いオヤジが出てきて、
「ここの T シャツはすべてハンドメイドなので、価格はピンきりなのだ。まず先に T シャツを選んでくれないと金額が出せない。」
などと言ってくる。まぁ、聞くだけだからと思い適当にこれとこれと、などと言って 4枚程の T シャツを選んで値段を聞いてみると、そこでミシンを回していた残りの二人とボソボソと話をしてから、
「3,500ルピーね。」
これは果たして目玉がぶっ飛びだすような値段なのだ。怒りを抑えて、
「ディスカウントはできないの?」
と聞くと、
「ワタシ、ビジネスマンだから、これグッドディールね。だからこの値段本物ね。ビジネスマンウソつかないね。」
ときたもんだ。こりゃどう見てもウソだ。早々に撤退を決め込んで、
「じゃ、今日は持ち合わせがないからまた今度ね〜。」
といって店を出ようとすると、
「カードでも払えるよ。ここに機械はないけど、弟の店にあるからそこまでカードを持っていけばいいんだから。」
買う気があったってそんな危険なマネはしないっつーの。急速に怒りが増幅されてきてさっさと店を出たいのだが、相手はなかなか引き下がらない。また今度くるからと言っているのに、挙句の果てには、
「明日は店を閉めちゃうから、今日じゃなきゃダメなんだよ。」
ともう、ウソの連打を浴びる。
「じゃ、しょうがないね。他で探すよ。」
とかわすと、カトマンズを出発するまでにホテルの部屋までもって行くからそこで料金を払ってくれればいいなどと言ってくる。もう何が何でも、とにかく嫌なものは嫌なので、「さようなら」といって店を出る。

で、すぐ正面にある別の T シャツ屋にこれ見よがしに入ってみる。殆ど同じようなデザインの刺繍の入った T シャツを指差して、値段を聞くと、Rs500 だと言う。まぁ値切るのは買うときにして、「一番安いのは?」と尋ねると、Rs350 だとのこと。ちなみに、その他 3件の T シャツ屋に入ってみて値段を聞くと、どこも Rs350 〜 Rs500 というのが相場のようだ。まったく、4枚で Rs3,500 とは、ぼったくりもいいところなのだ。それでも、最初の店に「何がビジネスマンだ、フザけんな!! けっ!!」などとモンクを言いに行くのはやめておく。今日はいずれにしても現金が無いので T シャツは買わず、お土産用のカレンダーを 4種類購入するにとどめる。

歩いてホテルに戻るとホテルではニューイヤーイブのディナーショーが行われている。そういえば、昨日部屋に戻ったときに、フロントでその案内状をもらっていた。それには“Arabian Nights - sensuous belly dancing show and lavish spread buffet dinner...”などとアラブの大富豪的な文言が並べられていて、価格は Rs1,999 もするのである。もちろん最初から興味は皆無なのだが、部屋に戻っても、その大騒ぎはかなり遅い時間まで窓の外のプール越しに大音響で聞こえてきて、強制的に参加させられた気分であった。まぁ、イブだから大騒ぎしたいのは仕方ないけど。

明日の午前中はケサブ君のアパートにお呼ばれしていて、彼が 8時に迎えに来てくれることになっている。午後は Raghu さんとツーリングだ。なんだかんだ言ってこれが結構忙しい日々なのだ。

home


inserted by FC2 system