ヒマラヤトレッキング日記
〜 準備編 〜


2004/3/16 (Tue)

「歯医者もいかなきゃ」

大丈夫だろうと思って先送りにしていたのだが、左の奥歯の辺りに食べたものが挟まる箇所があって、そこが虫歯になっていないかどうかが気になっている。高山に行くと身体の弱っているところをピンポイントで叩かれると言うし、高山病の最も一般的な症状は頭痛である。これにもし歯痛が加わったらトレッキングだ写真だなどとは言っていられない。ずるずると出発一週間前まで引っ張ってしまったので、予約が取れる見込みはないだろうと半ばあきらめつつ、かれこれ 30年近く前 (つまり小学校のときから) から通っている大森の歯医者に電話をしてみる。まぁ子供の頃からのお付き合いなので、毎回、駆け込み寺状態で電話を入れても必ずどこかに隙間を空けてくれる。その代わり治療に至っては、いまだに
「はい、ぶくぶくして〜」
などと言われてしまうわけだが...

電話をしてみると案の定、
「今日でもいいですか?」
「はい、もちろん、早いほうがいいのでお願いします。」
「じゃ、10時半ではいかがですか?」
っと言われても、今10時。ここ八王子。歯医者は大森なのでそりゃぁ無理だ。
「あ、えーっと、いま八王子に住んでるので...。」
「じゃ、3時半だったら大丈夫でしょ?」
無事 3時半の予約が取れた。

というわけで、今日は午後 3時半に歯医者に行った後、仙川の愛和クリニックで高山病の予防薬、アセタゾラミド (ダイアモックス) を処方してもらいに行くことに決定。

午前中に速攻で愛犬 トランプ君の散歩を済ませ、1時半にバイクで大森に向かい出発。八王子から大森までバイクでどれぐらい時間がかかるかまったく見当がつかないので、一応余裕を持って二時間前に家を出た。中央高速で高井戸まで行き、そこから甲州街道で代田橋まで。そこから環七で一気に大森まですり抜けしまくりでひた走ると、なんと一時間半かからずに大森に着いてしまった。

時間もあるので昔懐かしの (大森には五年生まで住んでいた)小学校などバイクで見て回った後、昔住んでいたマンションの目の前の公園の脇にバイクを止める。目指す歯医者はその住んでいたマンションの 1F にあるのだ。しばらく時間が余ったので公園で時間を潰す。しかし、子供の頃に遊んでいた広大な公園は、今大人の目で見るとなんと小さいことか。それと今日気付いたが、公園で時間を潰すというのも中学や高校のときにはなぜか気分的にあまりできず、その歯医者に来て時間が余ると近くの喫茶店や本屋などに入っていたが、今この歳になると何の違和感もなく何時間でも公園のベンチに座っていられる気がする。失業中だからかな? 仲間も 2、3人いるようだし...。

歯医者では事情を話して怪しいところとその他も全般的にチェックしてもらう。レントゲンも撮ってみたが幸い虫歯にはなっていないと言う。これまた歳をとると長年の顎の圧力で奥歯が口の奥の方にだんだんずれていってしまうそうだ。それで少しずつ隙間が開いてくるとのこと。食べたものが挟まるのを防ぐため、隙間をふさぐ整形をしてもらい 4時過ぎに無事終了。

「ダイアモックスをゲット」

その足で今度は仙川のクリニックを目指す。昨日確認したとおり受付時間は 6時までなので比較的余裕はあるが、敵は環七なので可能な限りバイクでぶっ飛ばし結局 5時に愛和クリニックに到着。受付で高山病の予防薬を処方してもらいたい旨伝える。受付の女性はどうやら昨日電話に出てくれた人のようで、
「あぁ、はいはい。」
とすぐに受付の用紙をくれた。便宜上診察も必要なので、初診となってしまうがこれは仕方ない。

しばらく待って名前を呼ばれ診察室に入る。
「え〜っと、どこで聞いたのかな?」
「インターネットの日本旅行医学会のページで...。」
「あぁ、はいはい。でどこ行くの?」
「ヒマラヤへ...。」
と話しながら、あっという間に懐中電灯で喉を診て、聴診器を胸と背中にあて、左腕を血圧計の上におかれて血圧を測定。そうしながらも、

と、一通りの説明を受け、最後にダイアモックスの詳細な説明が書かれた紙を手渡される。この内容は、外務省のホームページにあるボリビア発の在外公館医務間情報から、「高山病予防薬の内服について」の内容を、出典を明らかにした上で引用したものであった。この間、高山病のことをインターネットで調べまくったときに既に読んでいたので、一目見て「あぁ、あれじゃん。」とすぐにわかる。気になっていた頭痛薬との併用による問題が無いことを確認して診察は終了。

精算が終わり、薬は隣の院外薬局で購入するように言われる。薬局に行くと薬局のおばさんは人懐こい感じの人で、
「先生のことはどこで聞いたの? ネットで調べたの?」
「はい、そうです。」
「どこに行かれるんですかぁ?」
「ヒマラヤです。」
「あらそう。これ現地ではめちゃくちゃ安い値段で売ってるんですってよー。インド製かなにかで、それはもう歩いている人みんなに売りに来るらしいですよ〜。」
とやけに詳しい。結構、大勢の人が買いに来るのだろう。

受け取った錠剤は 250mg のもので、朝晩二回に分けて飲むには二つに割らなければならないが、125mg のものはないそうだ。6錠で 1,240円。診察料とあわせて 5,000円弱だ。まぁ、これでもし本当に高山病が避けられたら安いものだろうな...。


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