ヒマラヤトレッキング日記
〜 準備編 〜


2003/10/31 (Fri) 〜2004/2/25 (Wed)

「プロローグ」

2003年10月31日に約 12年間勤めてきた会社を辞めた。

今まで忙しくて週末しか付き合ってあげられなかった我が家の愛犬 トランプ君 の散歩にゆっくりと 3時間程の時間を割くことができる毎日が始まったが、なぜか会社を辞めたのにお散歩以外の時間はかなりパソコンの前に座っている。それというのも、写真や Home Page の作成、会社の人たちから餞別にもらった DV の編集 〜 DVD化にいたるプロセス、などやりたいことの多くがパソコン上でできてしまうからに他ならない。だいたい、せっかくだからこういう時にしかできないことをやろうと思って手をつけ始めたことは...

とまぁ、ほとんどそれらは PC の力を借りなければできないことなのである。

それにしても、古いアナログメディアに記録されたものは今のうちにデジタル化しておかないと二度と再生不可能になってしまうということを今回思い知らされた。オープンリールのマルチトラックレコーダーの音声をデジタル化しようと久々に電源を入れると、かろうじて動くもののなんとピンチローラーのゴムが見る間にドロドロと溶けていくではないか。まさかこんなところに落とし穴があったとは...。幸い神か仏か TEAC の TASCAM 修理センター様のお陰様でわずかに残っていたパーツを入手することができて、なんとか無事にデジタル化にこぎつけることはできた。

上記したようなことは体操を除いて実はアホみたいに時間がかかるので、暇そうでいて結構一日一日が経っていくのが早い。30代のうちに会社を辞めようと思った最大の理由、「体力あるうちにしか行けない所に行くのだ」という目的をそろそろ果たさなければこうして過去に浸っているうちに飛ぶように時間が過ぎ去ってしまう。もちろんバイクでふらっとツーリングに行ったり、近場の山に登りに行ったりということはしているが、辺境の地に行くとしたらもう今しかないのだ、ということを本格的に実感したのが 2月中旬。

候補地は前から考えていたパタゴニア、アラスカ、そしてヒマラヤのいずれか。パタゴニアは単独で行くには余りにも遠く広大で、情報収集に時間がかかるのは目に見えている。それに万が一のときのサポート体制も希薄。アラスカはまず夏に下見をした上でないといきなり今の時期は辛い。ヒマラヤは高所登山を含むため体力的には一番きついが、おそらく歳をとればとるほど腰が重くなってしまいそうだ。やはり今行くとしたらヒマラヤが第一候補になる。もちろん 8,000m 峰に登頂するなどということを考えているわけではなく、8,000m 峰のいくつか、願わくば最高峰のエベレストのベースキャンプまで上がってその姿を目とフィルムに焼き付けてこられればという次第であるが、それにしても標高 5,000m はゆうに超えるであろうトレッキングはそれなりに生命の危険が伴うだろうし、しかもカメラを持って単独ともなると体力的な制約条件も大きくなる。ということでともあれヒマラヤの調査を開始すべくいつも行っている聖蹟桜ヶ丘の くまざわ書店に行ってみたが、そこではヒマラヤのトレッキングに関する文献は見当たらず、かといっていきなり www.amazon.co.jp で注文する前に内容を見てみたいし、などしている間にまた無意味に日にちが過ぎ去ってしまった。

やばい。


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