ヒマラヤトレッキング日記
〜 準備編 〜


2004/3/9 (Tue)

「A型肝炎の予防接種完了」

先週の木曜日に行った新宿のクリニックに再度向かう。この間、破傷風の一回目を打ったときに散々「痛いですよぉ〜」と脅かされた A型肝炎の予防接種をする為、敢えてバイクではなく電車で新宿に出た。

今回打ってもらうのは、前回説明を受けたガンマグロブリン (γグロブリン) で、効き目は 3ヶ月間と短期だが A型肝炎のほかにも麻疹 (はしか) とポリオにも効くという。接種量が 2.5cc (破傷風は 0.5cc) とちょっと多目であるため、腕ではなくオケツにするわけだ。

前回と同じ受付で名前と旅行の日程を再度書き、前回渡された「予防接種証明書」を再び渡すと、
「ガンマグロブリンの注射は受けたことありますか?」
「いえ、ありません。前回ものすごく痛いっておっしゃってたやつですよね?」
「そうそう。だからオシリに打ちますからね〜 (ニヤリ)
と、受付で待つように言われる。

10分ほど受付で待つと、前回と同じ看護婦さんが現れて名前を呼ばれる。個室に入ると、
「今日のはちょっと重いですからねぇ〜。オシリに打ちますからズボンを脱いでベッドに横になっててくださいね〜。」
と言われた通りにズボンを脱いで籠に入れ、ベッドに横になって待っているとすぐに注射を持って現れた。頭を横に向けてうつぶせになるように言われ、オシリ、と言うよりはほとんど腰の横辺りに「ブスッ」っと針を刺される。あそこまで脅かすのだからよっぽど痛いのだろうと覚悟を決めていたが、さほどたいした痛みも無く、破傷風よりはちょっとだけ長いかな、と思われる時間が経過した後に終わり。それにしても注射が「重い」と言う表現は今日始めて聞いた。

そのままそこでズボンを履いて注射したところをしばらく揉むように言われる。実際に見ていなかったのと、ズボンを履いてしまったので、いったい注射を打ったところがどこだかわからなくなってしまったが、それらしきところをしばらく揉んでみてから、また予防注射の受付にお金を払いに行く。次回は出発直前に破傷風を打ちに来ることを確認した際に、
「これ以上の予防注射は無理ですよね? 日本脳炎の注射って子供のときに打ったんですけど、それってまだ大丈夫ですか?」
と聞いてみる。
「日本脳炎は、最長でも 4年しか効き目が無いんですよねぇ〜。それに今回は山の方でしょ? 3,000m ぐらい? ま、大丈夫でしょう。」
とのお答え。何かこの人と話をしていると、いつもいまひとつ緊張感が抜けてしまうのだが、子供のときに打った注射が効き目がなくなっていることは予想していたので、まぁそんなもんだろうなと思う。また、蚊についても行くのは 3,000m を超える高所だし、街中でもなるべく長袖を着たり、虫除けをかけたりして気をつけるしかなさそうだ。

「これだったらバイクで来ても大丈夫だったんじゃないかなぁ...。」と考えながらクリニックを後にして、その足で新大久保の ICI 登山本店に向かう。

「ICI で装備を調達」

ICI 登山本店に入ると何だかいつもと様子が違っている。なんと 4月9日に店舗を移動するための売りつくしセール中であった。安いのかもしれないが在庫がなくなっている可能性もあるなと思いちょっと焦る。今回はゴアテックスの雨具を新調しようかと考えていたが、やはり在庫がちょっと少ない気がするしゴアテックスの雨具の値段もバカにならないので、雨具の新調は見送りとする。ゴアテックスが出始めの頃から比べればずいぶん安くなったものだが、やはり 2.5万円〜3万円以上となるとそう簡単には手が出ない。と言うことで、今回はゴアテックスの雨具に使える防水スプレー「NIKWAX TX.DIRECT SPRAY-ON (透湿防水布地用)」を購入してここ数年来使っている古いゴアテックスの雨具を気持ちだけでも復活させることにした。投資額は 1,350円也。

その他、スペアの靴紐、ニトリートの膝用のテーピング「ひざかんたん」、テクノファインという素材を使った ICI のブランド「PAINE」の Tシャツ、ダクロンとウールの靴下、ダクロン QD を使ったゴールドウィンのブランド「LATERRA」の長袖シャツなどを購入して帰宅。

「やっぱりポーターは必要なのね...」

自宅に帰り、装備計画のためのエクセルのシートを作成。ポーターを雇うかどうかを真剣に考えなければならないからだ。体重計と調理用の秤を持ってきて持って行く可能性のある装備の重さを量りシートに記入。結果、自分で持つカメラ関係の機材と最低限の個人装備だけで既に 18.2kg、ポーターなりガイドなりに持ってもらうことにするシュラフ、シュラフカバー、その他の装備や未使用分フィルムなどでやはり 18.29kg と既に総量 36kg を超えてしまっている。Himalayan Activities Pvt. Ltd. とのメールのやり取りでは「ガイドであっても 10kg ぐらいは荷物を持ってもらうことができる」、とのことであったが、18kg ともなるとやはりポーターをもう一人雇って 3人体制で行くしかなさそうだ。カメラ機材だって、5,000m 越の高所でどこまで自分で持っていられるかもわからないし...。

今現在のプランだとカメラ本体は PENTAX 67II、そのバックアップにブローニー判の FUJI GS645S、パノラマ撮影用に 35mm判の FUJIFILM TX-1 + TX45mm/F4、そしてさらに RICOH の GR1s という 4台体制、さらにそれに 67用レンズが加わるという相当な重量だ。PENTAX 67II がもしも現地でイカれてしまうとせっかく持っていく 100本余りのブローニーフィルムがまったくの無駄になってしまうためそのバックアップには比較的軽量な FUJI GS645S を持っていくのが妥当だと思われる。FUJIFILM TX-1 + TX45mm/F4 は意外と重く合計で 1.01kg にもなってしまうので、削るとしたらまずはこの辺かなぁ...。これがあるために 35mm フィルムも相当量持って行かなければならないし。とにかく機材の軽量化を図らないと最終目的が達成できなくなってしまう可能性もある。この機材計画が今回一番の悩みどころだろう。


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