ガイドブックを読むと、食中毒、寄生虫症、赤痢、腸チフス、破傷風、狂犬病、肝炎、脳膜炎... うーむ、恐ろしい病名が羅列されている。このうちで、短い準備期間の中、予防接種の間に合うものを受けていかなければいかんと思い 厚生労働省の検疫所のホームページを見ると、『注意したいこと』の欄に「狂犬病ウイルスを持った犬が数多くいますので、よだれを流している犬には近寄らないように...」と書かれている。トレッキングで犬に噛まれる可能性もないとは言えないのでとにかくどこで狂犬病の予防接種を受けられるのかを検疫所に電話して確認する。
電話口に出た職員の受話器越しに昼休みのチャイムが鳴っているのが聞こえ、昼時に申し訳なかったなと思いながらも、狂犬病の予防接種をどこで受けられるかについて尋ねると、
「え〜、実はそれ以前にですねぇ、いま国内に狂犬病のワクチンがないのです。国内の唯一のメーカーが全部捨ててしまって、次の認可が下りる 5月ぐらいまでは出回ってこない見込みで...」
と、実に衝撃的な事実をさらりと語ってくれる。
「え....、で、で、皆さん他の方はどうなさってるんですか?」
と尋ねると、
「接種機関によっては国外のメーカーから取り寄せているところもあるし、現地で打つという手もありますよ。ホームページにあるリストから個別に当たっていただくのが一番で...云々」
と、丁寧に情報の掲載されているページまで行き着く方法を教えてくれた。
いきなりネパールについてから注射を打つというのもちょっと気がひけるので、とにかくリストにある病院を片っ端からあたって、狂犬病のワクチンが打てるかどうか確認することにした。というわけで、行きやすいところからと思い、東京都新宿区で検索を絞って出てきた病院のひとつにまず電話すると、なんと一件目からヒット。いとも簡単に「できますよ」といわれ、料金や一回目と二回目の間におかなければいけない期間のことを確認して電話を切る。明日は狂犬病の予防接種に行かなければ。
バンコクでは空港で寝ようかなと思っていたのだが、カメラなどの機材も持っているし、帰りは一日バンコクに滞在することになってしまったので、空港から出て泊まることにした。当然、行きはすぐ次の日に出発なのだが、バンコクの街は交通渋滞がすさまじいと聞いているので空港から近いホテルを探すことにする。まずはインターネットでいろいろと調べるが、空港から一番近い、橋を歩いて渡るだけでいけるホテルはやっぱり高い。ということで空港から 3キロ、タクシーで 5分程度のホテルに目星をつける。ここでもまた、ノースウェスト航空のホームページから提携ホテルを検索すると、一泊 4,200円にて予約が可能なので、即座にオンラインで予約してしまう。ちなみにノースウェスト航空はオクトパストラベルというところと提携していて、「数多くのホテルを一括で取り扱うことで、大幅な割引料金でのご提供が可能に。」にしているそうだ。時間もないし所詮通過するだけの都市なので即決定。
飛行機だホテルだ予防接種だ、と周りばかり固めて本来の中身の計画が遅れ気味であったが、いったん目標地点をクーンブヒマール (Khumbu Himal)、つまりエベレスト (Mt. Everest / Sagarmatha / Chomolangma 8,848m) のある地域のゴーキョピーク (Gokyo Peak 5483m) に定める。以下の理由は一部ガイドブックにも載っていることなのだが、
そういったこともあって、またそろそろ本格的にトレッキングのアレンジを開始しなければという焦りもあり、とにかく現地のエージェントに確認してみることにした。メールを出したのは Himalayan Activities Pvt. Ltd. である。日本語のホームページがきちんと用意されていて日本語での問い合わせも可能というなんともありがたい現地エージェントだ。確認したのはまずは以下の 4点。